ご挨拶

 昭和30年代後半からの自動車の急速な普及は、産業・経済の目覚ましい発展と国民生活の向上に大きく寄与してきました。しかし自動車の急激な増加は、人命を脅かす交通事故を増加させただけではなく、騒音や光化学スモッグなどの環境問題までも引き起こすことになりました。
 そして、多くの交通事故が、運転者の不注意や法令違反だけではなく、運転者の過労、荷物の過積載、自動車の点検不備など、事業所の不適切な安全運転管理を原因とする事故であったことから、企業に対する交通事故防止対策の要として、昭和40年6月、道路交通法の一部改正により安全運転管理者制度が発足しました。
 その後、安全運転管理者制度は定着し、交通安全対策上重要な役割を果たしてきました。昭和45年には全国で16,765人という多くの交通事故死者を出しましたが、安全運転管理者をはじめ、国、市町村、自動車の製造事業者、道路管理者、救急医療従事者など数多くの方々の努力の結果、令和2年中の交通事故死者数は2,839人にまで減少しました。しかし、今なお多くの尊い命が交通事故によって失われていることに変わりはありません。
 愛知県は自動車産業、航空機産業など基幹産業の要衝の地域であり、自動車の保有台数、安全運転管理者等選任事業所数は全国最多です。このような交通事故発生要素の多い本県であればこそ、交通安全活動のリーダーとして、交通事故を減らし続けていく責任があると考えております。
 公益社団法人愛知県安全運転管理協議会は、「企業一体となった安全活動を推進して地域社会に貢献しよう」を基本目標として、安全運転管理者の方々とともに安全運転意識を高める取り組みを推進して交通事故死者数を減少させ、「世界一安全な交通社会の実現」を果たしたいと念願しています。

公益社団法人 愛知県安全運転管理協議会
会 長  相 羽 繁 生