自転車への交通反則通告制度(青切符)

2026年 3月号

 本年4月から、自転車への交通反則通告制度(青切符)が導入されますが、この背景として、自転車による交通事故の増加傾向が指摘されています。
 具体的には、交通事故の総件数が減少傾向にある中で、
  ① 自転車関連事故は横ばい(構成比は増加傾向)
  ② 自転車と歩行者の事故件数は増加傾向
にあるということです。
 そして、こうした増加傾向にある自転車関連事故を抑止するため、警察は検挙活動を強化してきたものの、違反処理等の負担が増加し、実効性のある責任追及が困難になってきたことも理由とされています。

《制度の概要》
1 対象者 ~ 16歳以上
  対象年齢を16歳以上とした理由については、義務教育を終えた16歳以上であれば、交通ルールについての最低限の知識や判断能力を持っていると考えられるから、といわれています。
2 検挙(青切符)の基本的な考え方
 ○ 基本 … 指導警告
 ○ 検挙対象となる悪質・危険な違反の例
  ① 重大な事故につながるおそれが高い違反
    例:ながらスマホ
      ながらスマホによる交通事故は、自転車・自動車ともに急増していることから、厳しい取締りが予想されます。
  ② 違反の結果、交通への危険や事故の危険
   ・ 同時に2つ以上の違反
     例:2人乗りをしながら信号無視
  ③ 警察官の指導警告を無視して違反

 これまで、交通事故の抑止対策については、常に多数を占める高齢者対策が重点とされ、子どもの頃から十分に行われるべき交通安全教育は、重要視されませんでした。
 その結果、子どもたちは、ともすればヘルメットも着用せず、自由気ままに自転車を乗り回し、高校を卒業すると同時に自動車の運転免許証を取得しますが、安全に対する意識は未熟なままです。
 若者世代の事故率が高いのは、技術が未熟なだけではなく、安全というものに対する意識、理解が乏しいことにも大きな原因があるといえます。

 その意味で、今回の制度改正については、検挙されるか否かの議論で終わらせるべきではありません。特に16歳、17歳の免許を取る直前の若者が、自転車利用者の歩行者に対する義務と責任について考えること、歩行者を守る自転車の安全利用を心がけることは重要です。
 高校生は子どもではありません。自覚を持った社会の一員として、自動車・歩行者への配慮を失わない、安全な自転車利用を行うことができるはずです。
 そして、この時期に、交通環境における自分の果たすべき役割について考えることを通じて、これまでの大人(私たち)以上に、安全な運転を行うドライバーとなることが期待されます。
 私は、今回の制度改正について、自転車事故の抑止だけではなく、高校生に対する交通安全教育の機会であり、安全意識の高いドライバーの育成に向けた施策であると考えています。
 今の若者は、私たちが思うよりも優れています。安全意識の重要性を伝えることによって、私たち以上の安全意識を備えたドライバーとして、将来の安全な交通環境を築いてくれるはずなのです。

※ 警察庁交通局「自転車安全利用の促進」のHPは、次のとおりです。
  https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/index.html
  自転車への交通反則通告制度の導入に関する正確な内容については、上記HPに掲載されている「自転車ルールブック」をご確認ください。